オフィシャルサイト開設に際して みなさまへのメッセージ

見知らぬ人が、自身の匿名ブログでこんな書き込みをしているのを偶然目にしました。

「1981年以降、動乱の渦中に飛び込み、ポーランドの民主化運動やソ連・東欧の〈連鎖革命〉に関する鮮烈なルポルタージュを手がけてきた今井一。いい仕事をしていた。それなのに、帰国後は住民投票や国民投票、あるいは9条の解釈改憲に関する記事や本ばかり書いている。おまけに、それ係わる市民グループをいくつも立ち上げているようだ。何をやってるんだ。何で変わってしまったのか…」

正直、意外でした。悪意がないのはわかっていますが、そんなふうに見られているのかと。
ただ、そうした類の疑問や批判を、それまでにも数人の知人・友人から受けていました。

私のなかでは、あれやこれや関連性のないテーマに手を付けているのではなく、ただ一つのことにしか向き合っていません。
それは「人々が本物の主権者になることの難しさとすばらしさ」です。

名ばかりの主権者が本当の主権者になるために意を決して起ち上がる。その思いや動きを知りたくて、1981年のポーランドを皮切りに、ソ連、ロシア、チェコ、東ドイツ、バルト3国から香港まで、共産党の支配下にあった民衆の決起の現場に足を踏み入れてきました。
東欧諸国では、1989年以降の民主化の流れのなかで、主権者であるはずの人々を縛っていた「鎖」を解くように、国の行方を決めるさまざまな重大案件について国民投票を実施。各国の現場でそれを見聞きした私は、日本では体験したことがない直接民主制の威力と魅力を知りました。

一言でいえば、「革命的」。人々が主権者として直接事柄を決する国民投票は、間接民主制の選挙とは異なるラディカルさを有していました。

「原発建設」をめぐる巻町民や「闇の産廃建設」をめぐる御嵩町民、「吉野川可動堰」をめぐる徳島市民らの知恵と勇気に溢れた住民投票運動もまた「人々が本物の主権者になることの難しさとすばらしさ」を存分に示すもので、私は何十回と現地に足を踏み入れ、徹底した取材を行いました。それはソ連・東欧取材にエネルギーを注いだのと同じ動機・理由です。

そして、習近平・中国共産党による「自由と民主」の締め付けに抗議して起ち上がった香港市民の動きに胸を打たれて現地に再三足を運んだのも「人々が本物の主権者になることの難しさとすばらしさ」を現場でとらえたかったからです。

「9条の解釈改憲」、「国民投票法」に関する取材・発言に力を注ぐ理由もキーワードは「主権者」です。

憲法改正の決定権者たる国民が、国会議員らの解釈改憲によって主権者としての地位・権限を蔑ろにされることに我慢ならないのです。

哲学生として「現存する社会主義における自由の諸問題」というタイトルの卒論を書いたあの頃から、私の志向は一貫しています。
紛い物の主権者が本物の主権者になるために、私たちは何ができるのか、何をなすべきなのか。

「原発」「入管法」「マイナンバー」…… 納得できないことが次から次へと出てきますが、その都度デモや集会をやっても国会多数派は平気で押し切りますよ。「我々は手続きを踏んでいる、これが議会制民主主義だ」と言って。70数年、その繰り返しです。

そして納得できない政治や行政は、どの政党が、誰が政治権力を握ろうが、必ずこの先もあれこれ出てきます。その度に実効力の乏しいデモや集会をやる「モグラ叩き」に終始せず、主権者・国民が実効力をもって[拒否権・発案権・決定権]を行使できる制度を導入する必要があります。


そう考えて、2021年以降、仲間たちと一緒に、
INIT国民発議プロジェクトを立ち上げました。
これもまた、紛い物の主権者ではなく本物の主権者になるために不可欠だと考えたからです。

とにかく、このウェブサイトで国内政治のことを取り上げようが、海外での動きを取り上げようが、それはすべて「主権者」というものを意識し考えての発信になります。私の著作や各紙誌に寄稿した記事もほとんどがそうなっています。
このウェブサイトを訪ねてくださったみなさんには、そのことに留意しつつ、いろんなページを回ってほしいと思っています。どうぞよろしくお願い致します。

無料公開しますので、先ずは、ぜひ 朝日新聞「論座」のこの19本の記事を読んでみてください。

今井 一 オフィシャルサイト

何にも囚われず、誰にも媚びない
自由な思考、発言をあなたに。

オフィシャルサイト開設に際して みなさまへのメッセージ” に対して3件のコメントがあります。

  1. 長谷川裕子 より:

    こんばんは。あまりにも盛り沢山で何処から拝見していいか迷ってしまいますね。論座の無料公開ありがとうございます。少しずつじっくり読ませていただきます。またお邪魔します。

  2. オノデラ ヒロシ より:

    論座の内容が読みたかったのですが、論座の方から入ってみます。

  3. Wow, this piece of writing is nice, my sister is analyzing such things, so I am going
    to convey her.

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